【第一章】

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昼食の為に学校に来る購買(こうばい)で パンを買って食べるはずだった 駆だったが、 職員室から出て購買に駆け付けた時にはもう時すでに遅しというわけでお目当てのパンは無かった、 「残っているのは──」 隅に置かれている 売れ残り代表、コッペパンのみとなっていた しかもあと二つのみ。 おおかた今の駆みたいに 購買に乗り遅れて買いに行った 可哀相な人達が仕方無しに買ったのだろう。 ただ、先程すれ違った学生が 持っていたパンはコッペパンだけじゃなく他のパンを持っていたのは駆は知らない。 「で、どうするんだい?」 購買のおばちゃんに急かされて 駆はため息を吐いた後 「背に腹は変えられないからね」 と言ってその残るパンを 二つ買ってだるそうに パンを眺めながら 購買を後にした。 「まいどあり~」 後ろで嬉しそうにおばちゃんが 手を振っている 駆は落ち込みながら教室の方へ向かって歩いた。 「コッペパン‥‥か‥」 .
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