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「まーまぁ、駆よ落ち着けって」
「僕は落ち着いてるよっ」
勇士は怒る駆をまるで
暴れる馬と同じように
どーどーと落ち着かせる。
勇士の説得に駆も一度
深呼吸をして
再び藤山先生の方を見た。
「よーく見てみ、さっき言ったように白髪と黒髪の所、」
「んー?」
駆は少しズレた眼鏡を持ち上げて
よーく見てみる
「ほら、見えるだろ?
あの隙間、
なんかさ不自然に上の黒髪
浮いてね?」
「──‥‥!」
駆は驚愕した。
確かに黒髪と白髪の間に
わずかな隙間がある。
それでいて黒髪が若干ながら
浮いているのだ。
普通、髪の毛は毛先からスラッと
一本ずつはえていて、
余程のハゲがない限りは
そうそう不自然に浮くことは無いのだ。
だが藤山先生の髪の毛は
この白髪頭の上に
黒髪という帽子を被せたといわんばかりのように白髪が邪魔をして
プカプカと浮いてしまったのいただ
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