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ゴミの山から部品を探し、それで宇宙船を補強する。
その作業がどれだけ続いただろうか。
宇宙船は、ほぼ完成に近付いた。
「完璧じゃないか!」
適当なピンクでさえ大きな宇宙船を見てこれなら脱出も可能だと思った。
しかし一人だけ何故か浮かない顔をしている、
メカに強いアツであった。
「これじゃ飛べません…」
その言葉に疑問に思ったミキがアツに問い掛けた。
「部品がまだ足りないのか?」
「うぅん、宇宙船は完全に治ってます。」
「じゃあなんだよ?」
「うんとね・・・」
「エネルギー…」
ベレッタがおかしな事を呟いた。
〝えねるぎー〟
確かにベレッタはそう言った。
そのおかしな言葉を聞いたミキは不思議な顔をした。
「えねるぎーって?」
「例えば俺たちは血が無いと生きられないだろう?
言わば機械の血みたいなものだ。」
「へぇ~、その宇宙船を動かす〝えねるぎー〟が無いって事か?」
「そうゆうことなんです」
「・・・」
ベレッタは無言で美しい星空を見上げ、
そして深い溜め息を吐いた。
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