第二話「魔族とモンスター」

2/11
前へ
/29ページ
次へ
side.? ――――帝国エレクト城・神殿―――― 「早く勇者様を!魔法陣を発動させます!」 「大神子クレハ、私共が張った結界も、もう長くは持ちません!」 エレクト神官長クリスト様が私にそう言った。 外では城の騎士団や魔術師団、ギルドに属す戦士や魔法使いの者達が、懸命に戦って居るのだが、相手は上級魔族、ウォーウルフ族長であり魔王配下のラーグ四天王の一人、ジギールと中級モンスターゴーレムに苦戦を強いられていた。 ゴーレムだけなら苦戦を強いだれなかったでしょう。 しかし、ジギールが居るとなれば別です。 あの者は魔王直属の4人の部下の一人であり、ラーグ軍の将軍として強力な魔族やモンスターを率いている。 今回はゴーレム一体だが、ジギールの剣と魔法に為す術がなく、『ゴーレム』と共にここまで進入されてしまった。 ラーグ四天王1人でこの国の戦力以上の力を持っているため、もう勇者様に助けをこう事しか打つ手がない状態です。 「くっ、まさか四天王自ら攻め込んでくるとは」 高さ約20m、広さはエレクト全ての民が入っても、余裕のあるこの神殿に結界を張る神官や神子達の呟きが聞こえた。 ここには貴族や王族の他にも、エレクトの民も非難している。 しかし、一番安全なここも、もう長くは持たないでしょう。 「もう、終わりだ」 「創造神クレイドル、どうか我らをお守り下さい」 貴族や民達の不安な声が聞こえる。 そんな中 「皆さん諦めてはいけません。結界の外で国王である父と第一王子である兄も戦士達と共に戦っているのです。国を背負う者が懸命に私達を守ってくれているのです。希望を捨ててはいけません!」 帝国エレクト第二王位継承者エミージェ・エレクト姫様が皆を勇気づける声がする。 姫様の言うとおりです。 我々にはまだ勇者という希望があるのだから。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加