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俺は今、神殿から離れた場所で、金ピカ男が言っていた、いくつもの岩が合体した顔のない巨大な人形、ゴーレムをと対峙している。
俺達が魔法陣から現れた時には、すでにゴーレムが神殿の壁を壊して進入していた。
ゴーレムに周りは気をとられ、俺達が召還されても気づかれなかった。
まぁ、この状態だったら好都合で、俺達は聖剣を抜きにいった。
聖剣は鞘ごと祭壇の石に突き刺さっている奇妙な光景だった。
聖剣っていっても、柄と鍔が黒い普通の刀だった。
周りが大騒ぎになっている中で聖夜はその刀を抜く。
聖夜が持つと様になって見えた。
抜いてからゴーレムを見ると、銀色の長い髪で白いドレスを着た女の子がゴーレムの右手に捕まっていた。
姫様って聞こえたから、その子はエレクトのお姫様なのだと解った。
ゴーレムの肩には銀色の毛並みの狼の頭の黒い貴族風の服を着た狼野郎が大剣を手に持って立っていた。
俺はそいつのいった「見せしめにこいつから始末するか」と笑いながらいった言葉にきれて、大きくなっりゴーレムに体当たりした。
聖夜に人質とゴーレムの事を任され今に至る。
ついでに言うと今は夕方だ。
「すぐ助けるからもう少し待っていて下さい、お姫様」
「は、ハイ」
やっぱりお姫様相手にため口はだめと思い敬語を使う。
あ、でも俺今ドラゴンだから別にいいのかな?
ま、いっか。
さっきまで人間だったし。
「危ないから下がって下さい」
「う、うむ。皆下がれ!」
俺は見た目通りというか、一目で王様だって解る格好の人に全員を下がらせるように言った。
よし、これで周りに被害者が出る心配はない。
下を見たら、戦って破れた、騎士や魔法使いなどの死体が転がっている。
おそらく殆どは、聖夜と対峙している狼野郎にやられたのだろう。
ゴーレムは弱くはないだろうが、ここにいる人間や獣人達だけでどうにかなっただろう。
でも、狼野郎からはもの凄くやばい感じがする。
身体能力が上がったといっても、おそらく聖夜一人でどうにか出来る相手ではないだろう。
俺もあいつには悪寒が走ったほどだ。
一人で相手をするより、今の俺達では二人で戦わないとやられる。
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