【彷徨】さまよう女

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そして、洗面所に押しやった 「由美さんは」 「後から入るから、先に入って、背中流すから」 「解った」 と、喜んで入って行った メールが飛んだ…お姉ちゃんと麗奈が部屋に入って来た 「智彦さん、背中流すからそっち向いてて、恥ずかしいから、電気消すはよ」 「ああ良いよ、早く入って来な」 テレビのボリュームが少し大きくなった、由美は、パジャマを着たまま 「失礼します」 と、風呂場の中に入って行った 「じゃ、入口の方を向いて、私が奥に入るから、背中流しますよ」 と、言って流し出した その時、風呂場のドアーが開く… 「あんた!久し振りだはね!あゆみお姉ちゃんと弘子おばちゃんとこの私の敵を討つは!」 と、言い終らない中に柳刀包丁が胸に刺さった、由美は後から垢擦りタオルを智彦の首に巻いた、もうどうする事も出来ない…身動き一つ出来ない…私は、智彦を何回刺したか解らない…洗場に横たわった、智彦に唾を吐き付けた、完全に死んでいる…… 由美が、奥から出て来た、何となく私より、落ち着いてる様な気がした シャワーが出された、鮮血はシャワーの湯で下水に流されて行く… この男を殺すのに、二十年近くも待った
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