【彷徨】さまよう女

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良しと、台車に載せて部屋の鍵を閉める、怖る怖るエレベーターで一階まで降りて来た このマンションは、オートロックでもなければテレビカメラも付いてない、マンションの住人にさえ行き合わなければ絶対に大丈夫だ、ワンボックスの後部が開けられた…スーツケースは三人でやっと車に載せた 完璧だ…仕事に間違いはなかった これから出発だ!麗奈はアクセルを踏み込んだ 秋風か車の窓から流れて来る、もうこの風が寒く感じる季節になっていた… ふと目を覚ますと、網の張られた小さな部屋の中だ…アーア何んだ又夢を見てたんだ、良い夢なら良いけど、私の人生に良い夢何んて ある分けないか 今日は、外の天気が悪い様で、舎房の中も暗くなる、当たり前の話だ こんな中に居て、良い事何んてある筈はない…皆それぞれの罪を犯し、この中に入って来てる者達ばかりだが、人、一人ずつ話して見ると悪い人何んて、一人も居ない様な気がする それは、悪い事に大小はあるけれど、その疵を舐め合って、お互いに励まし合っているからかも解らない…
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