【彷徨】さまよう女

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お母さんが、私に差入れしてくれたんだ、そんなことをしなくても良かったのに、でも心の中では感謝している、お母さんが私にくれた物が…もったいなくて食べれない、鏡もハンカチも使えない、今夜からまくら元に置いて寝る事にした しかし仲々眠る事が出来ない、眠れない、ハンカチを出してみる、お母さんが買ってくれたハンカチか、大切にするからねと、一人言をいった… そして今日は又通称青バスに揺られて東京拘置所から、霞ヶ関の検察庁に向っている、同行室で自分の取調べの順番が来るのを待っている、私の順番が来た 今日は、何となく早く女検事に逢いたかった 刑務官と一緒き部屋に入る、何時も通りそこで手錠をはずされる 「今日は」 「アーア今日は、さあ座って」 「失礼します」 「あら、貴方今日は顔色が良いはね、何か良い事でもあったの?」 「ええ、大変な事があったんです、それを早く検事さんに報告しょうと思って焦ってたんです」 「へえ、何んなの、そんな良い事って?」 「実はですね…驚かないで下さいね」 「大丈夫、毎日皆さんに驚かされてるから、少々の件なら驚かないから、早く教えて…」
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