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信号待ちで、運転席の彼はハンドルに寄りかかり、何やら思案してるようにため息をついた。
たそがれてる姿でさえ、絵になるんだから、なんだか悔しい。
でも……――――ほんとに、かっこいいなぁ……。
チラリと盗み見をすると、彼がちょうどこちらを見ていて、目が合ってしまったため、慌てて視線をそらした。
と、向こうから歩道を歩いてくる女子高生が、車の中の彼を見つけたのか、何やらはしゃいでいた。
そして隣に座ってるのは誰かと視線を私に向け―――苦笑いをして通り過ぎてく。
似合わないって言いたかったんでしょ。
そんなの分かってるよ。
今も昔も、私と夏にぃの間には大きな隔てりがあるんだから。
昔は、年齢という壁。
今は、過去という壁。
そして私は、そのどちらも、解決策を見つけられていない。
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