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少しルンルン気分で、キッチンに戻る。エプロンを着た彼の背中を見つけ、胸がトクンとなった。
ダメ。この人の中に昔の姿を探しちゃだめだ。
そんなこと考えてると、気配を感じたのか、彼が振り向いた。
前から見た姿もザ・イケメン。メガネのいい男に、エプロンなんて、もろにお母さんの好物。もちろん、私も。
「ちゃんと手洗った?」
「もちろんっ」
「せっけん使って?」
「うん」
「うがいもした?」
げ、忘れてた。
「…完璧だよ」
「そう……じゃあさ……」
夏にぃの手がこっちに伸びてきた。綺麗な綺麗な手が私の顔に触れて、私の体がビクッとしたのに、そんなのお構い無しに、おっきな手が頬からだんだん下りていく。
そして止まった。
顎に添えた4本の指。
唇、に親指。
その親指が、私の唇を行ったりきたりする。
初めての行為に、私の顔はきっと、いや絶対真っ赤。
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