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「お前、幽霊なのか?」
「うん! そうだよ、お兄ちゃん」
こんな時に明るい返事など不必要だと思う。
おまけに、すごく笑顔だ。
常日頃かわいいと思っていた妹は、幽霊でもやっぱりかわいい。
「そ、そんなに見つめないでよ……」
妹は、赤くなった顔に手をあてながらそう言った。
栗色のツインテールが揺れる。
「……悪い」
その様子をしばらく眺めてから、俺は視線を反らした。
反らした先には、見慣れたリビングのじゅうたんと妹の死体があった。
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