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それからの数日の間、俺は喧嘩をしなかった。
正確に言えば俺からは手を出さずに、ただサンドバックのように相手が飽きるまで殴られ続けていた。
今までのツケを払うように体にアザや傷をつけられていた。
学校へ行くと通夜で泣きじゃくっていた美雪の友達も時間と共に美雪の存在を忘れてしまったように楽しそうにしている。
学校は、美雪が居ないのが当たり前の空間になっていた。
俺は、この当たり前の空間を拒絶し続けていた。
「はぁ…」
正直楽しそうな奴を見るとイライラとムカついた。
学校が終われば再びサンドバック…
喧嘩をしない事で俺は、最後に見た美雪の涙を止めたかったのかもしれない。
美雪に少し変われた自分を見て欲しかったのかもしれない。
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