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僕は殺されて、死んだ。
それは僕の中では全然普通じゃない。
あいつ、は僕の親友だった。
…と思う。
それならナイフで刺されることはなかっただろう。
では何故僕は殺されることになったのか……
あいつの名前は、恵輔(けいすけ)といった。
中学時代から、家も近所だったため、とくに親しくしていた。
すぐに気どりやすい性格だったが運動が得意でサッカー部に所属していた。一年生の時にレギュラー入りしていたから実力もあった。
よくアホらしい事を言っては、自分で大笑いしていた。
だが僕は、あいつは根はいいやつと知っていた。
それが…
殺される瞬間のあいつの目は獲物を睨む獣そのものになっていた。
殺気、というものを僕は初めて感じた。
まあ、それは当たり前だ。
動物園のライオンだって刺激さえしなければ怒らせることはないだろう。
それなら僕は、何か恵輔を怒らせるようなことをしたのだろうか…。
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