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すると、一筋の光が輝いた。
その光は暖かった。
一筋の光は次第に輝きを増し、
『僕』をすっぽりとまばゆい光で包み込んだ。
気付けばそこはもう暗闇ではなかった。
見上げれば、青の絵の具をチューブからそのまま出したような色の雲ひとつない大きな空が広がり、
足もとは緑色の地面が空と同じくらい果てしなく続いていた。
平凡だけれど、
しかし青と緑だけの世界は、僕に現実味を全く感じさせない。
一歩、
足を踏み出してみた。
靴の裏は青々とした芝生を、柔らかな音とともに踏みしめた。
でも、見える世界が変わるわけでもなかった。
『ここ』は…あの世、だろうか?
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