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今の僕はと言えば、見事に死ぬ直前の姿だった。
とかさずにある寝癖、
学ラン、
そしてご丁寧にナイフは胸に突き刺さったまま。
生々しくどろりとしみ出た血は学ランを黒々と染めている。
あぁ、気持ち悪っ。
しかし、痛みは全くない。
きっと心臓も止まっているだろう。
そう言えば呼吸もしていない。
いや、呼吸という行為はしている。
なのに空気は肺をみたすことはない。
身体は無情にも生きる行為を続けていた。
しかし僕は死に、
やはりここは“あの世”というやつに違いない。
ならば、声は、出るのだろうか。
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