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僕は普通の少年だった。
名前は佐藤直也というどこにでもいるような名前だし、これと言って目立った特徴もない。
家族は父、母、妹のごく普通の4人家族。
あ、あと柴犬のポチ。(ちなみに名付け親は当時言葉を覚えたてだった妹。『ポチ』は『まま』の次に覚えた単語だ)
サラリーマンの父親の収入はまあまあ。
浪費家がいるわけでもないから欲しいものに不自由することもない。
家も近郊にひしめく住宅地に建つ、他と何も変わらない二階建てという普通の、家である。
僕は、まだ高校2年生に進級したばかりで、テストの点は大体平均点あたりで、頭が良いわけでも悪いわけでもなく、
あくまで『普通』の男子高校生だった。
このまま平均寿命まで生きて、病気かなにかで子孫たちに惜しみながら『普通』に死ぬ───と思っていた。
なのに…
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