2人が本棚に入れています
本棚に追加
※※※
無精髭だらけのぼくの肌を滑る見た目にも脆い手をそっと取ってみる。
かたかた、かたかた。……嗚呼、本当に怖がっている。
「――速水。お前にぼくを、あげる。…あげるよ、、」
※※※
良い大人がふたりしてがっつき合っては同時に欲望を吐き出して。そしたら時間の感覚すらも蕩けきって無くなってしまった。……でも、月光はまだまだぼくらを照らしている。宵闇に紛れて姿が見えないのを良いことに、速水は自ら地に全身を据えてぼくを誘(いざな)った。
大の男二人が深夜の、しかも病院という大戦線でみっちり下半身を繋げて求め合っているだなんて完全に怠慢でしかないけれど、こればっかりはぼくが速水のことを、速水がぼくのことを愛しているのだから仕方ない。
最初のコメントを投稿しよう!