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どくり、どくん。
股間で圧迫感と熱を同時に高めながら断続的に脈打つそれが一段と大きく跳ねる度、脳天から一気につんざかれる様な痺れが全神経を光速で駆け巡る。
自分も向こうも戦場(いくさば)こそ違えど、それでもやはり日々――繰り返される今日も明日も明後日も――身を粉にしなければならない程忙しくさせてもらっている人種であるが故、互いが思い立った直ぐ事に及ぶなど、関係を持ってから今日に至るまででも、そう出来た時の方が片手で数えられるぐらいだ。
……その結果の、二人してこの有り様。
俺も、彼も。どちらからともなく赤と青で引き付け合った磁石みたいに俺は彼の逞しい首筋に、白鳥は俺の薄っぺらい背中に腕をきゅ、と回した。――そこから先はもう憶えていない。ただ、俺たちには大分不相応な幼く柔い接吻(そう呼ぶにはかなりの語弊があるだろうが)を交わした後、着の身着のまま誰にも言えない互いへ宛てた不埒な欲望で張り詰めたそこを夢中で擦り付け合って。時折掌どうしを指で堅く結んでは大した意味も無くじっ、と見詰め合って。そしてもう何度目なのかも定かではないこの、狭苦しい芯の中から早く解放されたいと熱情がわっと押し寄せてくる感覚。堪らず腰がびくつく。
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