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「……っぁ、あぁ、――…ー………っ、!」
嫌でも僅かながら耳に入ってくるそれが妙に艶めかしくて、いやに女々しくて。
何時も何時も、自分が自分でなくなる気がして、あちこち違和感だらけで。
…だから限界の時は決まって目の前にある肩口にきつく、歯を立てる。押さえきれなかった甘ったるい声を聴かれていないか不安になって、ずっと埋めていた顔を上げたら。
「……可愛いのに、」
さらり、髪をひと撫で。
ぶぁかやろう。恥ずかしいからわざと一言だけ低く、返す。
※※※
吐き出しても吐き出してもなお治まりを知らない全身の昂りをとにかく伝えたくて伝えたくて、手は無意識に布の重なりに隠れている紅く熟れた男根の姿を暴いていた。臭いがつんと鼻にくる粘っこい糸を引きながら、するりと下着ごと全部、足首までで止まった。
俺の卑猥且つお誘いとも取れる大胆な行動に彼がは、と息を呑んだのが分かる。
「………………、」
そのまま上目遣いでにやり、口角を上げてやれば。
「……その表情(かお)、やばい」
途端に飢えた獅子の如く、喉笛を噛み千切られる。
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