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いつの間にか露になっていた白鳥の猛り立つものと自分のものとが二人分の蜜にまみれ、音をたてて、それは俺たちを真似てなのか数瞬の間重なって、唾液にも似た濃い滴(しずく)を撒き散らしながらぐわりと揺れる。首筋に絡めていた腕を大きな背中に回して、彼のお高い服が傷むなんてことすらも考えられず、与え合うどうにも出来ない快感を背を引っ掻くことで誤魔化した。
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逃がすもんかと言わんばかりにきつく抱き締められがくがくと揺さぶられているだけだった自分も緩やかにではあるが、痛いぐらいに疼く腰を上下、小さく動かしていた。久方ぶりに五感以上の全ての感覚で感じられる白鳥の外身も中身も、彼をもっともっと味わいたくて。
「…………しらと、り…、」
今はどんなに恥ずかしい様であろうと良い。だから自らまた、接吻をねだった。
ふんわりと後頭部を持ち上げられる。じわり、濃密さを増してゆく。…先程とは遥かに違う、ずっと欲しかった大人の接吻だった。
不器用丸出しながらも熱い彼の舌を吸っていると不思議なことに心が浮かされてきて、彼を貪りながら溢れそうな激情がまた、長い明滅の後、破裂した。それでも遂に脳味噌までもがやられてしまったらしく、気持ち良くて止められない。きっと俺だけに働きやがる麻薬だ。
脚だけが震えてまともに立っていられない。呆気無く腰砕けになった俺は、密着している白鳥ごと床に雪崩れ込んだ。
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