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竹内真
1ヶ月前、俺の仲良いクラスメートの佐江原が亡くなった。
お互いに、映画好きで、帰り道によく、盛り上がった。
佐江原は、亡くなる一週間前から、奇妙なことを口にしていた。
「俺の部活の先輩が、昨日死んだろ?
「でさ、桜女子校の7不思議って、知ってる?」
佐江原が横目で俺を見る。
その目は暗く沈んだ瞳だ。
亡くなった先輩は、佐江原が一番慕っていた先輩だ。
落ち込むのも無理はない。
「…知らないなぁ」
俺は答える。
「そっか。
桜女子校の7不思議、第2。
見知らぬ人からの電話。
(共学になったから、男子校もだが、)桜女子校の生徒の番号から、電話がかかってくるんだけど、
出ると、全く見知らぬ人なんだ。
それで、その人は、ただこう言う。
「私の質問に答えて。」
それで、もし、答えられなくて電話を切られたり、電話を切ったりしたら、
…もう、終わりだ。」
最後あたりを、佐江原が異様に低い声で言った。
「…終わりって、死ぬってこと?」
ー佐江原って、こんなオカルトチックな奴だったかな?
俺はそう思い、困って苦笑する。
「そう、終わるんだ。
2日前、先輩、その電話とったって言ってた。
しかも、その電話は俺の番号からだって…。
いたずらか?って、責められたんだ…。」
佐江原の肩がすくんでいる。
「………寝ぼけてたんじゃない?
気のせいだって」
俺はなんとか佐江原を慰めようと焦った。
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