幽霊のさ迷う学校

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3日前 俺が佐江原と最後に言葉を交わしたとき、佐江原は俺にこう言った。 「昨日の、冗談だよな?」 佐江原が怒りのこもった目つきで、俺を睨む。 「はっ? あぁ、ジョニーがラズベリー賞取ったこと? なー、ギャグだよな(笑) 最悪な映画に選ばれちゃうなんて。」 俺は笑って返すが、佐江原は一向に笑わない。 俺は佐江原を心配する。 「なんだよ、ノリが悪い奴だな。 なんか変だぞ。」 佐江原は突然震えだす。 「あの電話が来たんだよ。 お前の番号から!!」 佐江原が 俺に向かって叫ぶ。 二人で言葉を失った。 ただ、ざわめく廊下の生徒達の笑い声が廊下に溢れていた。 「…にゃに?」 俺は問いかえす。 佐江原は俺の強く腕を掴む。 「ふざけてる場合じゃない。 先輩は俺の番号から、電話がかかってきた。 次は俺に、お前の番号からかかってきた…。 つまり、次はお前にかかって来るかもしれない。」 ①佐江原→先輩 ②俺→佐江原 (③X→俺?) (④XX→X) 俺は、ショックで、無表情になる。 「7不思議の続き、まだあるんだ。 助かる方法は2つ。 1つはその電話に運良く出ないこと。 出ないければ、呪いは解ける。 2つめは、質問に答えること。 答えれば…呪いは次の人に回る…。 俺は…切られたんだ。 昨日、陸上部の帰りに、あの帰り道に先輩がいて…。 俺、びっくりしちゃって…。 気づいたら、電話切れてたんだ。」 「冗談やめろよ!!!!!!!」 俺は佐江原を怒鳴りつける。 「お前最近、悪趣味だそ!!!!!! トラックにひかれた先輩のことまで出して!!! そんな、オカルト話がしたいなら、オカルト部に入ってスカイフィッシュを一緒に探してろ!!!!」 俺はそう佐江原に怒鳴りつけて、それ以来、佐江原と口を聞かなかった。 そして、その4日後、佐江原は部活中に、突然、心臓の発作が起きて…。 俺はずっと後悔していた。 あの時、佐江原を信じていてやれば、佐江原はあんな結果に終わらなかったのかもしれない…。 もしかしたら救い出せたかもしれない。 あの日、怒鳴りつけた後、涙が滲んだ佐江原の悔しそうな目を俺はふと思いだしていた。
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