57人が本棚に入れています
本棚に追加
3日前
俺が佐江原と最後に言葉を交わしたとき、佐江原は俺にこう言った。
「昨日の、冗談だよな?」
佐江原が怒りのこもった目つきで、俺を睨む。
「はっ?
あぁ、ジョニーがラズベリー賞取ったこと?
なー、ギャグだよな(笑)
最悪な映画に選ばれちゃうなんて。」
俺は笑って返すが、佐江原は一向に笑わない。
俺は佐江原を心配する。
「なんだよ、ノリが悪い奴だな。
なんか変だぞ。」
佐江原は突然震えだす。
「あの電話が来たんだよ。
お前の番号から!!」
佐江原が 俺に向かって叫ぶ。
二人で言葉を失った。
ただ、ざわめく廊下の生徒達の笑い声が廊下に溢れていた。
「…にゃに?」
俺は問いかえす。
佐江原は俺の強く腕を掴む。
「ふざけてる場合じゃない。
先輩は俺の番号から、電話がかかってきた。
次は俺に、お前の番号からかかってきた…。
つまり、次はお前にかかって来るかもしれない。」
①佐江原→先輩
②俺→佐江原
(③X→俺?)
(④XX→X)
俺は、ショックで、無表情になる。
「7不思議の続き、まだあるんだ。
助かる方法は2つ。
1つはその電話に運良く出ないこと。
出ないければ、呪いは解ける。
2つめは、質問に答えること。
答えれば…呪いは次の人に回る…。
俺は…切られたんだ。
昨日、陸上部の帰りに、あの帰り道に先輩がいて…。
俺、びっくりしちゃって…。
気づいたら、電話切れてたんだ。」
「冗談やめろよ!!!!!!!」
俺は佐江原を怒鳴りつける。
「お前最近、悪趣味だそ!!!!!!
トラックにひかれた先輩のことまで出して!!!
そんな、オカルト話がしたいなら、オカルト部に入ってスカイフィッシュを一緒に探してろ!!!!」
俺はそう佐江原に怒鳴りつけて、それ以来、佐江原と口を聞かなかった。
そして、その4日後、佐江原は部活中に、突然、心臓の発作が起きて…。
俺はずっと後悔していた。
あの時、佐江原を信じていてやれば、佐江原はあんな結果に終わらなかったのかもしれない…。
もしかしたら救い出せたかもしれない。
あの日、怒鳴りつけた後、涙が滲んだ佐江原の悔しそうな目を俺はふと思いだしていた。
最初のコメントを投稿しよう!