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「優希、今日は一緒に泊まるの?」
「一応部屋はとってもらったよ。
明日、土曜日で休みだし。」
美里も優希が好き。
「じゃ1日暇なの?」
「ううん、朝から夕方まで軽音楽部。」
「終わったら買い物に行きましょ〓」
私は誘われた事ない。
前、誘った時も、休みの日ぐらい仕事を
忘れた方がいいって言ってくれた。
それは私の為だと思ってた。
美里はみんなに優しいのかと思ってた。
「僕も行っていい?」
「圭吾はダメ。
ゆっくり2人で話したいの。」
だけど優希は特別みたいで、
彼女を抱きしめる美里は
すごく幸せそうだった。
「ついたよ。」
マネージャーは裏口に車を止めた。
「遊びに行くのは良いけど必ず変装して
バレないように、明日僕も用事あるから
迎えに来いと言われてもいけない場合が
あるからね。」
「私も?」
「優希は別にいいよ、だけど、DVDを
売り出したら変装までしなくても、身の
回りには十分気をつけて。」
「了解しました。」
笑って答えると、何故かマネージャーも
嬉しそうに笑って頭を撫でている。
「あ、今私良いこと考えちゃった〓
圭吾と卓明日一緒にきなさい。
いい者魅せてあ・げ・る・」
よりいっそう盛り上がる会話に
私はでてこない。
「俺らも明日出かけるか?」
顔を上げると晃は優しそうに笑って、
頭を撫でてきて私は小さく頷いた。
晃と卓は私も優希さんも
同じように話しかけてくれる。
だけど晃は撮影の時、演技かどうかは
分からないけど、優希さんの事、とても
愛しそうな目で安心するような笑顔で
頬に触れて顔をだんだん近づけていく。
本当の恋人ならそこでキス―――
「どうした?」
「ううん、なんでもない。」
私の居場所はここにしかないのに、
「晃...ぎゅってして。」
まるで親に愛情をねだる子供のように、
座ったまま晃の背に手を回して、
優しい温もりに触れてる。
「ありがとう」
離れると頬を撫でてくれて、
「無理すんなよ」
隣に座って手を握ってくれる。
「うん。」
私は絶対に自分から捨てたりしない、
この居場所は誰にも譲れない。
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