愛を歌えば

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次の日メイクさんに頼んで変装をし 晃と久々に買い物に行くことにした。 「私この辺り来たことないんだよね。」 「何が見たいんだ?」 「ん...アクセサリーとか洋服かな。」 公園を散歩をしていると屋台のアイスを 発見、私は思わず駆け出した。 「普段でも屋台ってあるんだね。」 「いらっしゃい。いつくにしますか?」 「えっと...「2つ。」 晃が追いついてきて注文し、何も言わず お金を払ってくれる。 「彼女さんコーンは何色がいいかな?」 「桃色と黄色」 外でアイスを売って溶けないのかな? 「はい、おまちどうさん。」 「ありがとう。」 私が受け取ろうとすると、2つとも晃が 受け取って木陰にある椅子へ歩きだす。 「ありがとうございました。」 私はアイスやさんのおじさんに会釈して 小走りで後を追った。 「ねぇ、私にも頂戴よ。」 「座ってからな。」 「こぼさないわよ。」 「どうだか。」 晃は片手でアイスを持ち、ハンカチを 取り出し椅子に敷いて手招きをされ、 私はその上に座った。 「ほらよ。」 「ありがとう。」 アイスを貰い口に運ぶ。 「アクセを見に行くなら俺の行きつけが この近くなんだが行くか?」 「どんな店?」 「一点物のシルバーアクセの店。」 「行く。」 久々の休み。 しかも、誰かと一緒に外でのんびりと、 過ごすのも悪くはない。 それに... 木漏れ日の中で風を浴びる晃は、いつも 以上に、私以上に、綺麗で見とれ... 「アイス溶けてるぞ。」 アイスが服に落ちる寸前で口で阻止、 服を汚さないうちに食べきった。 「晃は優希さんの事どう思ってるの?」 「優希は、娘か妹だな。」 「恋人とか考えたことないの?」 「こだわった事ない。」 晃の一言で胸の中が騒ぎ出す。 「千代美、雨はどうして降ると思う?」 「天の恵みだから?」 「普通はそうなんだけどな、でも違った 答えもある。 人の悲しみや苦しみを一心に背負った 雲が、人の代わりに泣くんだとよ。」 その答えはきっと優希さんが 言ってたんだとすぐ分かった。 だって私を見る晃はいつもと違う、 もっと、優しく笑った。
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