愛を歌えば

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楽しい時間は過ぎるのが早い、気づけば 貴重な休みは夜を迎えた。 「そろそろ帰るか。」 「うん。」 手を繋いでホテルに帰り、晃が泊まる はずのスィートルームに行くと、何故か 美里さん達が食事をしていた。 「ただいま。」 「あ、おかえり〓」 ため息をついた晃は無言で寝室に入って いき、私は近くのソファーに座った。 「どう楽しかった?」 「うん。 ってかみんな何で正装なの?」 「本当はね、この服でレストランに行く 予定だったんだけど、ちょっといろいろ あって行けなかったから、圭吾の手料理 ご馳走になってるの。」 「そうなんだ。 今日の美里さんもお綺麗ですよ。」 「まぁありがとう。」 そう言って私にはいつも、笑いかける だけで、じゃれあうみんなの輪を見ると 私はいつも輪の外にいた。 がちゃっ 「もう起きて大丈夫なんか?」 「うん。」 優希さんもドレス姿で晃と圭吾に手を 引かれながら、テーブルに向かい歩く。 その胸元のトップは朝と変わってて、 アクセを買って貰ったのは私だけじゃ なくて... 「どうぞお座りください。」 たかが椅子に座るだけなのに2人から エスコートしてもらって... 「ありがとう。」 大切にしてもらってる。 ソコハワタシノイバショナノニ... 「では姫、どうぞ召し上がれ。」 「いただきます。」 デテッテ... 「美味しい。」 「お褒めいただき光栄です。」 デテッテ... 「確かにな。」 「何食ってんだよ」 「いいじゃん。 みんなで食べようよ。」 デテッテヨ 「そこは私の場所だよ!!」 大声を出し立てると怒りをぶつけた。 「だいたい何で部外者がいるのよ!! なんで誰も何もいわないの!? あんたはみんなを捨てたんだよ!? 何様のつもりよ!!!」 「千代美ちゃん...」 驚きながら悲しそうな顔の優希さんが どうにも腹立たしくて 「あんたなんか... あんたなんか... shines futureの恥なのよ!!!」 私は、言ってはいけないことを言った。
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