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思い返して余韻に浸っていると
身体の異変に気づくのが遅れた……
「美里!!逆上せた!!美里!!」
動かない身体。
ヤバイヤバイと思いながら、
美里を呼び続けた。
がらっ
戸が開くと私は安心して意識を失った。
それからどれくらい経ったか
分からないけど、ゆっくり目を開けると
自分の部屋の天井が見えて晃がベッドの
横でしゃがみ団扇で扇いでくれていた。
「大丈夫か?」
「ん……暑い」
「だろうな、2時間出てこなかった」
呆れながら額のタオルを机に置いてある
水で冷やしてくれる。
「でも、涼しくなってきた」
「そりゃよかった」
微笑んでくれた晃に私も笑った。
身体が程よく冷めた頃、
「もう大丈夫、ありがとう」
「美里と卓は買い物行ってる。
欲しいものがあるなら電話しとけ」
「分かった」
身体を起こすと私は服を着ていた。
一気に引く血の気……
「えっ……私……服…………」
「着せた、真冬だし」
当たり前の優しさ。
だけど…私にとっては……
「俺はなにも思わない」
「えっ?」
「どんな傷を抱えてようが、
優希が望むなら受け止めてやる。」
「でも……こんなにも醜いのに……」
胸元にすれる服を握った。
私の我が儘が引き起こした罪の代償。
それはあまりにも大きく、
無くしたのはかけがえのない人達。
「醜くない、優希は綺麗だ」
「嘘だ……」
うつむく私を包む温もり。
「無理にとは言わんが、
ゆっくり受け止めればいい。」
「う……うん……」
背に腕を回してギュッと抱き締めた。
「俺は受け止めてやる。
だから一人で泣くのはやめろ」
「……ん、分かった」
コンコンッ
いきなりのノックにビックリし、
パッと離れて涙をふいた。
「はい」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「アイス作ったから食べにおいで」
「行く!!」
晃の手を引いて今に行くと
コタツの机におかれた可愛らしく
盛り付けされたアイスクリーム。
「これ、圭吾が作ったの!?」
「うん。」
「凄いね!!」
チョコにイチゴにバニラ。
フルーツも一口サイズにカットされ
どこかのレストランにでてきそう。
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