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話し合いが終わった時、すでに23時を
回っていて、龍平君は部屋へ帰り、晃と
優希は僕の部屋に残った。
「優希は何処で寝るつもり?」
「ん?寝ないよ?
さっきまで寝てて頭冴えてるし。」
「じゃ僕も付き合おうか?」
「いいねぇ〓みんなで飲もう。」
そう言うと楽しそうに冷蔵庫から梅酒と
カルアを取り出した。
「優希はダメだ。」
晃はお酒を取り上げた。
「え―――飲みたい―――!!!」
「お前は未成年だろうが!!」
「心と精神年齢は二十歳だもん。」
「それでも未成年だよ。」
「晃のけち、圭吾のけちんぼ!!!
大嫌い!!!もう寝るもん!!」
そう言いながら奥の部屋にこもった。
「飲むか?」
「飲む。」
ソファーに座ると晃がグラスと氷と
ウイスキーを準備し、お酒を注いだ。
「優希に僕達は家族で、龍平君は恋人
だって言われた...」
出来上がったウイスキーを差し出され
一気に飲み干す。
「恋人は別れても、家族は一生続くぞ。」
「そりゃ、そうだけどさ...」
晃らしい答えに苦笑。
「僕の感情は偽善家族で満足できない、
まぁ本人は気づいてないけどね。」
「あいつは天然だからな」
「だからこそたちが悪い。」
そしてまた差し出されたウイスキーを
一気に飲み干した。
「これからどうするんだ?」
「正直迷ってる。」
「らしくない、諦めるのか?」
「ははっ、あっきーも意地悪だな。」
「自覚してる。」
楽しそうにグラスを傾ける晃、それから
何杯かお酒を交わし気づけばソファーで
眠りについた。
パタンッ
扉がゆっくり閉まる音がし、うっすら
目を開けた。
「晃?」
体を起こすと、向かいのソファーで晃は眠り、奥の部屋に続く扉が開いていて、
行くと誰もいない...
その光景で一気に目が覚めた。
「晃!!優希がいない!!」
「トイレだろ?」
「たぶん、さっき出てった。」
「ったく...探しに行くぞ!!」
不機嫌に部屋をでる晃に続いて僕も
急いで部屋を出た。
とりあえずみんなにも...
こんこんっ
「龍平!!」
こんこんっ こんこんっ
がちゃっ
「どうしたの?」
心配する僕の気も知らず、何くわぬ顔で
ドアは開けられた。
「優希...が急にいなくなるから、
晃と探してたんだけど...」
「あ、そっか、ごめん、明日の準備が
あるし自分の部屋に帰ろうとしたら、
圭吾の部屋に鍵忘れちゃって...
でも2人とも寝てたから、起こすのも
悪いし龍平にいれてもらったの。」
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