波風がつれてきた出会い

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「おはよう圭吾。」 徹夜をし、ソファーで眠った。 夢の中でも優希に起こされる夢を見て、 でもだんだん身体が重くなるのを感じて 目を開けると優希が上に乗っていた。 「おはよう。」 「おはよう、見てみて、朝早くから和巳 マネージャーが今日の衣装を持ってきて くれたんだよ?似合う?」 「あ、あぁ...すごく似合ってるよ。」 (ねぇ、ねぇ、昨日買ったワンピース。 どう?私に似合ってる?) ふぅっと思い出した昔の優希。 あの頃と何も変わってない笑顔。 変わったのは... 「聞いてる?」 「聞いてる、聞いてる。」 心配そうに顔をのぞく優希、 天然はこれだから酷い。 「優希、ハニートーストできたぞ!!」 晃の言葉に反応し僕の上から降りた。 「圭吾も行こう。」 ゆっくり起きあがる僕を急かすように、 手を引きキッチンに向かった。 「珍しいね、晃がご飯作るなんて。」 「たまにはいいだろ、」 僕が嫌みで言うと、晃は笑った。 ハニートーストに目玉焼き、 タコさんウインナーにサラダ。 この3人での朝ご飯の定番メニュー。 「コーヒー煎れるね。」 「あ、私は「野菜ジュースでしょ。」 「うん。」 忘れるはずがない君の好きな物、 晃でさえ忘れてないと思うよ。 「いっただきます!!」 「「いただきます。」」 久しぶりに囲んだ食卓は賑やかで、 ご飯もいつもより美味しく感じた。 「さて撮影に行きますか。」 支度をし優希に手を差し出すと、 「うん」 手を重ねて一緒に笑い、 撮影中も気づけば優希を見ていた。 「圭吾!!セットに入って!!」 「はい。」 撮影監督瑞樹さんの声で、セットに 入ってベースを握った。 優希は瑞希さんの横に用意されたパイプ 椅子に座り、意見交換をしていて、話が 終わると瑞希さんから渇が飛んだ。 「薺!!いい加減気を入れな!! 今日のあんたの魅力ないよ!!!」 「はい...」 瑞希さんに何度も何度もNGだと言われ 薺の表情が曇り、落ち込んでいる。
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