オワリトハジマリ

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人間知らず知らずに魔力を使っている、とシェルが前に話していた。 俺は魔法は使えないが魔力はあるらしい、あれだけ速く動けていたのも魔力を使っていたからだ。 自分では意識はなくただ速く動ける自分のイメージを想像しているに過ぎない。 シェル曰く俺は自然と身体強化魔法を使っているらしい。 ただし、速さが異常だと言っていた。 誰が変態だ、失礼な。 とにかく、それで戦闘の時異変に気が付いたわけだ。 「私も最初は先に森に入った誰かが魔物討伐の為に使ったものだと余り気にしていませんでしたわ、それともう一つ、どうやら拘束魔法陣の前に何か強力な魔法を使ったのか異様な魔力の痕跡があるんですの、謎の魔力とあれだけ大規模の拘束魔法陣、並の大魔導師じゃありませんわね」 確かに森のほとんどが効果範囲なんて馬鹿げた魔力、それに謎の魔力の痕跡。 大魔導師かもしくは… 「異界人か」 驚き顔を上げるシェル。 「あれはあくまで噂でしかありませんわ、そんな馬鹿げた方達がいる訳がありませんもの」 噂はこうだ。 数年前、ある大陸のある国が一夜にして滅んだ。 話しによると急に空に巨大な魔法陣が出現し、そこから見た事もないような鉄の鳥が現れ、その中からこれまた見た事もないような武器をもった奴等が現れた。 その力は巨大で人々はなす術なく殺されたと聞いた。 しかもこれに似た様な話しは数年前から頻繁に起こっていると。 ある時は巨大な翼生えた炎を吹くトカゲ、ある時は空に巨大な城が浮いていたと言う話もあった。
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