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――五年後。
「んー、春ねー」
一人の女性が公園のベンチに座っている。事務員の制服を着、胸の名札には「RIPプロダクション」と書かれている。
「こういう日はなんだか歌いたくなってくるわね」
「~~~~」
「そうそう、こういう風に……あれ?」
声がする。歌声だ。お世辞にも上手いとは言えないが、高く澄んだ声だ。
「誰かしら。この公園、あんまり人いないのに」
女性は立ち上がり、声のする方へと歩き出した。
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