第1章 卒業

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学校の勉強では予習復習なんてしたこともなかったが、こういうことに限ってマメな自分が少し可笑しかった。 意を決して店に入ると思っていたよりは狭い。 同じような台が横に十台ほど並び、会社帰りのサラリーマンや主婦がハンドルを握り玉を打ち出していた。 手持ちの金も少なく、打ち方も分からないので、 しばらくは他の客の様子を見ることにした。 しかし挙動不審に見えるのか、店員や客がしきりに俺を見ているような気がする。 どうにも気まずくなってきたので、比較的人の良さそうなおっさんの横に座り、見よう見まねで打ち始めた。
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