2221人が本棚に入れています
本棚に追加
「四人で出掛けるのもお願いしたいけど…二人で一緒に出掛けませんか?」
「二人で?」
思いもよらない言葉に、戸惑った声になる。
「二人で。」
駿君は堂々と繰り返す。
「どこに?」
「どこか行きたい所はありますか?」
駿君の質問に、私はちょっと真剣に考えてしまった。
今まで廣田さんとも笠山さんともデートらしい事はした事がない。
二人とも一人暮らしで、殆どは部屋でしか会った事がない。
「夏休みの一週目。行きたい所を考えてみて下さい。」
「あ、うん。」
「さぁ、そろそろいかないと。」
駿君の腕から解放されて、少し寂しい気分になってしまう。
そんな自分を奮い起たせて私は荷物を片付けた。
最初のコメントを投稿しよう!