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「四人で出掛けるのもお願いしたいけど…二人で一緒に出掛けませんか?」 「二人で?」 思いもよらない言葉に、戸惑った声になる。 「二人で。」 駿君は堂々と繰り返す。 「どこに?」 「どこか行きたい所はありますか?」 駿君の質問に、私はちょっと真剣に考えてしまった。 今まで廣田さんとも笠山さんともデートらしい事はした事がない。 二人とも一人暮らしで、殆どは部屋でしか会った事がない。 「夏休みの一週目。行きたい所を考えてみて下さい。」 「あ、うん。」 「さぁ、そろそろいかないと。」 駿君の腕から解放されて、少し寂しい気分になってしまう。 そんな自分を奮い起たせて私は荷物を片付けた。
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