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「あ、ごめんね。」
家庭教師中にやってしまった。
慌てて謝ると美月ちゃんらホッとした表情を見せ、ニコニコしながら身を乗り出してきた。
「先生、英語得意ですか?」
「文法は嫌いじゃないけど、話す方はあんまり。」
「そっかぁ、実は夏休みに2週間ホームステイに人が来るんです。だから、先生が来る時、是非一緒に夕飯食べませんか?」
「私が?」
「お兄ちゃんが昔ホームステイに行っていたホストのお家の人で、お兄ちゃんも戻ってくるから是非。」
“ホームステイ中に知り合った外人”
千紗都ちゃんの言葉を思い出す。
駿君の想い人?
「…どんな人なのかな?」
動揺を隠して、何でもないような振りをする。
でも、少し声が上擦ってしまう。
「お兄ちゃんより4つ年上で、綺麗な人ですよ。写真見せてもらったから。」
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