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「いつ来るの?」
「8月の半ばです。」
美月ちゃん待ち遠しそうに浮き浮きした声で答えた。
駿君も美月ちゃんみたいに喜びを噛み締めているんだろうか?
何だか、空気がどんどん抜けていく風船のように気持ちが萎んでいく。
「三人で出掛ける予定なんですけど、美佳子先生も一緒に行きませんか?」
「嬉しいけど、夏休みも課題やバイトが忙しいから難しいかな。」
「そっかぁ、残念です…」
「夕飯も予定が合えばご一緒させて貰うね。」
私の言葉を聞いて、シュンとしてしまった美月ちゃんには申し訳ないが、是非とも避けたかった。
あんなに駿君の役に立ちたいと思っていたのに…
どうしても一緒に行動したくなかった。
切なく彼女を見つめる駿君は見たくない。
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