物語の始まり、いわゆるプロローグ

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『一年生になったら』  一年生になったら 一年生になったら 友達100人できるかな  100人で食べたいな 富士山の上でおにぎりを  パックン パックン パックンと  初心忘るべからず。冒頭のっけから僕が勤勉家であるがゆえの、どんなに昔学んだことや歌でも、初心に返り思い返してしまうという癖を見せ付けてしまったようだ。思わずメガネをくっと上げたくなる。しかし、メガネはかけていないため空振りに終わる。  因みに、勤勉に結果がついてくるかはまた別の話で、2学年200人中、下から2番目あたりの所に僕の名前らしきものがあった気がするが、この間お茶を飲んでたら忘れてしまったよ。しみじみ。  そんなこんなで僕の数学の時間は過ぎていく。窓際の席なんだから、空を見上げながら物思いにふけてみるのもまた一興だが、勤勉家の僕にはそんな事は出来ない。いや、勤勉家ってのは嘘だけど。  そんな厨二まがいな事はせず、目の前の席に座る女の子もとい、僕の彼女を見つめる。
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