物語の始まり、いわゆるプロローグ

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 周りの皆の『えっ!?えっ!?』って視線が痛いッス。僕が一番『えっ!?』なのにさ。  とりあえず、どうしたのかとか声かけてみたり揺すってみたりしたけど反応がなかった。少し心配になり、これを機にお近づきになろうというグヘへな下心を共に携えて保健室へつれて行った。 「……微熱からくる貧血かしらね」 「貧血、ですか」 「そ。たしか佐藤くんはこの子と家近かったわよね?」  ベットで横になっている美華を指さす。さっきからずっと寝たまんまだ。 「家……詳しくは知らないですけど、近いはずです」 「この子の家庭、両親共働きで忙しいみたいだから、起きたら代わりに送っててくれる?また途中で倒れたりしないように」  僕の下心もとい、良心に過剰な反応を確認。即行了解ですサインを送る。  だけどこれがまた一筋縄じゃいかないんだな。拒んでくれるのなんのって。
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