第3章~初体験

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心臓の手術を受けている途中、輸液は必須だ。 だけれど、それで心臓がむくんで、胸を開けたまま帰ってきた患者がいた。 もちろん、感染症にならないため、個室管理となった。 血圧の薬は、全種類と言っても過言ではない数を投与。 人工呼吸器によって呼吸管理され、麻薬を使い、眠らされていた。 そのラインの多さにとまどい、 機器の多さにおじけずいた。 遥奈は、この人は、生きたいのだろうか、医療によって生かされているのだろうか…と、いつの間にか考えるようになっていた。 他の患者もそぅだ。 2日目に一般病棟に戻れる人はいぃ。 でも、ここにいる何人もの長期の患者は? 遥奈が、生と死について考えるきっかけとなった。 生きたいという生命力があるからこそ、今ここにいるのか、 医療の進歩によってたくさんの機器と薬剤によって、生かされているのか。 答えの出ない自問自答をただ繰り返した。 今だに、その答えは出ないままだ。
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