第2章~勉強と不眠

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遥奈の仕事はまだ未熟。 仕事が定時に終わることなんてない。 もちろん、 新人が集まって仕事後に研修といぅ名の技術練習も毎日あった。 寮に帰るのは、 毎日9時は超えていた。 それから、家事をこなし、 ご飯を作り、 食べながら、テキストを開く。 最先端なだけあって、ここのICUマニュアルは、 一般でも市販されている。 勉強にはなるが、 新人で入職した遥奈には、 分からないことが多く、 他のテキストを開き、マニュアルに書き込む。 昼間の緊張感もあってか、 眠気が遥奈を襲った。 ウトウトと机に突っ伏して寝ていて、 夜中に目覚めることも多々あった。 それでも、遥奈はそこから起きて勉強した。 次の日の患者のために…。 自分の無知で、 患者を命の危機にさらせないという、 使命感のよぅなものが、 遥奈をとらえて離さなかった。 仕事が終われば勉強。 そんな毎日を、ひたすら送っていたためか、 ベッドに横になっても、 勉強と 次の日に受け持つ患者のことが 頭から離れなくなっていた。 次の日の患者は、かなりの重症患者だと分かったときは、 ほとんど眠れなかった。 それでも、遥奈は勉強を続けた。 これから待っている、患者さんたちのために…
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