~憩いのひととき~

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イフェースでの買い物や図書館での知識付け、ジュウベエ、さんと洞窟へ修行、ある程度を終えたので今日は師匠の宿屋へ戻っている。 ブルーオーガを倒して以来、この森のモンスターもすっかり大人しい。 馬車を使わずに行き来するのにも慣れ、昼前にイフェースを出発して六時間、辺りはほんのり色付き始めた。 予定外のものを買い込んでしまったせいで両手が塞がってしまっている。 「あと一時間もかからず宿屋に着くね。アヤとララ、また新しい芸でも習得してるかな?」 ウィンは、一番に気にかかるのはアヤとララのことらしい。 こうやって行き来して宿屋に戻るたび、あのコンビは何かしらの芸を披露してくる。 毎回ウィンはそれを楽しみに宿屋へと足を運んでいるようだ。 「ララもそろそろ魔法でも唱えるんじゃないか?」 俺は笑いながらウィンにそう言うと、ウィンも笑いながら頷いた。 この世界に来て六十日、元の世界に帰ろうという気も薄れつつあった。
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