絶望

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「…ごめんね、奏。お父さんから奏を守ってあげられなくて…。ここ、傷になっちゃうわね。ちょっとしみるけど我慢して」 お母さんは頬に消毒液を付けてくれた。 「こんなに可愛いのに何でお父さんは………早くしなきゃ怒られるわね。奏、悠理を起こしてきて」 お母さんは優しく微笑むと、朝食を作り始めた。僕はそっと足音を立てないように、お兄ちゃんを起こしに2階へ向かった。 コンコン 「…お兄ちゃん?朝だよ」 ドアを開けて中に入ると、お兄ちゃんは気持ちよさそうに眠っていた。 「お兄ちゃん、お兄ちゃんってば!」 揺さぶると、お兄ちゃんは目を覚ました。
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