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気づいたら、目を開けているのか閉じているのか分からなくなるくらい暗い空間に俺は寝ていた。
急なことに少しパニクる。
……落ち着け俺、大丈夫、身体の感覚はある。
動揺しながらも俺は、右手、左手、右足、左足といった順番で確認するように動かし、寝ながら自分に言い聞かせる。
少し落ち着いてきた俺は、まず第一に何故こんな意味の分からない不思議空間にいるのか、心当たりを自分の中で探した。
……なるほど、さっぱり分からん。
5分程あーでもない、こーでもないと考えを巡らせていたがさっぱり分からなかった。
結構自分の中で惜しいところまでいき、あと少しで何かを思い出せそうというとこまで何度かいった。
けれど、あと一歩といった瞬間、まるで身体がそれを思い出すことを拒否するかのように思い出すことができなかった。
まぁ仕方ない、そのうち思い出すだろう。
俺は現実逃避ともとれるような思考に落ち着き、この件に関しては保留という結論に位置付けた。
……さて、そんなことよりも今は状況の把握だ。
そんな俺は状況を把握するために上半身を上げる。
するとそれに反応したかのように真上から俺だけに光りが当てられ、暗かった視界が今度は光に包まれた。
「目が、目がぁぁぁぁああああ!!!!」
今の今まで黒に塗り潰されていたものから急激に明るくなったそのことにより一瞬怯み、俺は思わず彼ラピュタ王の様に手で目を押さえて床をのたうちまわる。
「あ、めんごめんご。ちと明るすぎたかな?」
俺が目を押さえてそんなことをしていると、どこか気の抜けた声が聞こえ、真上から降り注いでいた光の光量が少し抑えられた。
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