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光に慣れた俺は目を開けてさっきよりも明るくなった周りをもう一回見渡す。
見渡すと横2m、縦5mくらい石盤が、まるで俺を囲むように並んでいた。
しかもよくよく見るとその石盤ひとつひとつに01や02といった番号が中心部分に書かれている。
……俺はこの場面をよく知っている。
それは俺にクーデレの素晴らしさと、その殺傷力を教えてくれた作品の中に出てくる、最高機関とも言えるべき存在だ。
まぁ……つまりあれだ。
「これなんてゼーレ」
そこまで思考がたどり着き、俺は気付けばそんなことを口にだしていた。
「お、いい反応だね」
するとどことなく嬉しそうな声が番号01から発せられる。
「さて、リラックスもできたところでいつも通りに直すね?」
さらに同じ声が02から聞こえたかと思うと辺りの様子が変化した。
薄暗かった空間はだんだん明るくなりそして最終的には……
「え、なんで俺の部屋?!」
いつも俺が過ごしている部屋になっていた。
机の位置や本棚の余った部分に飾られている俺の嫁達(フィギュア)の位置、さらには脱ぎ散らかした俺の服の散乱状況まで忠実に再現するほどの無駄なクオリティーッ!!
「いやぁ、やっぱ落ち着くなら自分の部屋でしょってことで君の記憶から再現しますた。うぇっうぇっ」
そんな少し、いや大分動揺している俺の目の前には見慣れないおっさんが俺の部屋のベッドに我が物顔で座っていた。
座っているせいで正確には分からないが、身長は170くらい、そしてダン○ルドアと負けず劣らずの立派な白ひげを顎に生やし、真っ白なローブを着こなしていた。
これは……もろに俺の想像する神さま像。
まったく、こんなコスプレをして何がしたいのだろうか? いい歳して……あぁ恥ずかしや恥ずかしや。
「まてまて、なんで本物の神様っていう反応はできないのよ! ほら!見て、聞いて、感じてよっ!」
俺がそんな風に痛々しいものを見るように半眼でおっさんを見ていたら、ベッドから立ち上がり、どこかしら憤慨したような口調で俺に言ってきた。
って、いやいや、待て。
「え、いま俺口に出したか?」
いまのは心の中にとどめておくべき言葉だったから言わなかったのに。
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