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「姉貴、朝からうるさいんだけど」
姉ちゃんが自分の服を掴みかかった時、姉ちゃんの後ろから抑揚のない呆れたような声が聞こえてきた。
「あ、おはよう鳴人(めいと)!今日も早々準備でお姉ちゃん嬉しいぞ~!」
「兄貴と違うからね」
サラっと皮肉を噛まして階段を下りていったのが、俺の弟の鳴人、中学二年生。
俺や姉ちゃんとは違って内気なところはあるが、成績は常にトップ3には入るという優秀ぶり。
中の上程度をさまよう俺とは、まさに違うのである。
「うーん、今日も鳴人は素っ気ないな…」
淋しそうな表情を浮かべて階段の方を眺める姉ちゃん。
一応言っておくが、姉ちゃんは俺にのみ偏っている訳ではなく、鳴人にもそれはもう多大なる愛情を注いでいます。
ただ、あいつは反応が薄い為に姉ちゃんが空回ってるような感じになっているんだが……
当然、こういった時のフォローは俺の役目。
「姉ちゃん!今日も起こしに来てくれてありがとう!」
恥ずかしいが、姉ちゃんに向けて俺なりに最高の笑顔を向けた。
「そ、そうか!あはは、気にするな!これもお姉ちゃんの仕事だ!」
ミッションコンプリィィィィツッッッッ!!!!
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