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「善輝、今日はいよいよ卒業式だな!」
身支度を終え、リビングの自分の席に座ると、姉ちゃんが正面に座って話し始めた。
ちなみに鳴人は、隣で味噌汁を啜っている。
「うん!高校入学したら姉ちゃんとまた同じだし!」
本心のままにそう述べると、姉ちゃんは思った通りパァーと明るい表情を浮かべた。
そう、今日は俺の中学校卒業式。
三年間というなかなか長めの月日を過ごし、名残惜しい面も多々あるが、俺としては、姉貴が絶賛する高校である常春高校の入学式の方が楽しみだったりする。
常春高校は、(姉ちゃんいわく)生徒の自主性を尊重をする学校で、ユーモアさや独自性が磨かれるところらしい。
聞いた感じだけで、楽しそうだなぁというのが分かる。
さすが姉ちゃんオススメの学校なだけある。
「まったく善輝は!そんな事言っても何も出ないからな?」
と、それはまたなんとも緩んだ表情で語る姉ちゃん。
それでも美しいのは姉ちゃんクオリティーだろう。
「あんた達、朝から気持ち悪いんだけど」
完全に空気を壊してくるのが、悲しかな俺の母さんです。
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