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母さんは俺の前にご飯と味噌汁を置くと、残念なものでも見るかのように俺を見下ろし、溜息をついた。
ふふふ、そんな目で見ていいのかな?
残念なもの、それは少なからず親から遺伝されてきたもの!
つまりあんたも残念な人間という事さイヤッハアアァァァァ!!
※注、喜ぶ事ではありません。
「あんた、シスコンだからいつまで経っても彼女できないんでしょう?」
「断じて違う!!」
実の息子に言う台詞とはまったく思えない言葉を口走る母親。
いやいや、彼女できないのはそもそも俺に何かしらが足りてないからだろ?
姉ちゃんと遺伝子けっこう似てるはずなのに告白された経験なんてないぞ?
だいたい俺、フラれた事だってあるのにね……
つまりシスコンは関係ない。
ん?
シスコンを否定しないのかって?
……自分……自分には嘘つけねえっす……
「そんなにきっぱり否定しなくても…」
何故だかこの上なく落胆した表情を見せる姉ちゃん。
ちょっ、ちょと待てよ!(キ○タク風に)
俺はむしろお姉様を肯定したはず。
それがどうしてこんな表情を浮かべておられるんだ?
まさか、姉ちゃんホントは俺の事キモいって思ってたんじゃ……
確かに……中三になってシスコンとか道徳の教科書に載りうるくらい考えれるべき問題。
分かってはいる、だけど、だけど!!
「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」
「子供泣きすなッッ!!!」
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