The guardian-knight of red-

2/10
前へ
/395ページ
次へ
ある朝のとある街のとある一軒家。 その一部屋に太陽の光が差し込んでいた。 「眩しい・・・・・・。」 部屋の主の少年が眠たそうに眼を擦っていた。 少年ーーーーアスール・レオラールは家から出て井戸で顔を洗い、意識を覚醒させる。 「もう春か・・・・・・早いな。」 アスールは独り言を呟きながら髪を整えた。 肩辺りまで生えている燃えるような赤毛を後ろで一纏めにし、水で撫でつけ、家へと入って行く。 「さてと。」 そう呟きつつアスールは自分の部屋のすぐ隣の部屋へと入って行く。 部屋の中には可愛らしい熊や兎などのぬいぐるみや、白とオレンジを基調とした女の子らしき部屋が広がっていた。 その部屋のベッドにはこんもりとした膨らみが一つ。 アスールはそのベッドに向かい話かけた。 「ミリア、起きてるか?」 「あと五分だけぇ~。」 「ダメだ、俺も仕事の時間だ。」 「むぅ~。」 唸るようにベッドから一人の少女が現れた。 アスールと同じ赤毛を背中に長く伸ばし、同じく瞳もアスールと同じ碧眼の少女。 「おっはよ!兄~さん。」 ニカッと笑いながら少女は元気よく言った。 「おはようミリア。」 アスールもただ一人の妹に笑顔返す。 彼女の名はミリア・レオラール。 アスールの妹であり、残された唯一の肉親である。 「すまないが俺は仕事に行って来る。また学校でな。」 いつもの事なのかミリアはすんなりと返事を返した。 「は~い。いつも通り授業の前にお弁当持ってくね~。」 「いつもすまない。じゃあ行って来ます。」 ミリアの頭を撫でつつ部屋を出る。 「いってらっしゃ~い。」
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加