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その様子を見て、クスクス笑いながらキリアが言った。
「君も罪な男だねぇ、アスール?」
「どういう意味だ?」
首をかしげながらアスールは尋ねる。
「さぁ?ただカナ以外の女の子にそんな事言っちゃダメだよ~?」
そう言いながらキリアは食堂へと向かっていった。
「・・・・・・訳がわからない。」
首をかしげたまま、アスールも食堂へと向かった。
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アスールが食堂の扉を開けるとカナリアとキリアはすでに席に着いていた。
長いテーブルにキリアとカナリアが向かい合って座っている。
「アスールはもう食べてきたのか?」
「朝食か?まだ食べてないが・・・・・・。」
アスールが答えるとカナリアは小さくガッツポーズをして手招きをしながらいった。
「じゃあ私たちと食べよう!」
「いや、俺は王族では無いしさすがに・・・・・・。」
「僕達の幼馴染なんだからさ~。別にいいんじゃないかなぁ?」
キリアが肯定の言葉を示す。
「いや、しかしだな…・・・。」
まだ抵抗があるようで、アスールが反論しようとした。
「あぁもう!じゃあこうするっ!」
カナリアが痺れを切らしたように言った。
「アスール・レオラールに命ずる!これから毎朝朝食は私達と共に摂ること!いいな!」
最後にニヤリと笑ってカナリアが言った。
「卑怯だぞカナ・・・・・・。しかも毎朝って条件まで付いているじゃないか。」
顔をゆがめながらアスールが言った。
「ずいぶん護衛を困らせているようだな。カナリア?」
突然食堂の扉が開き、高級そうな寝具をまとった男性が現れた。
「おはようございます国王陛下。」
アスールが頭を下げて言った。
「そう硬くなるなアスール?昔のようにおじさんと呼んでくれてもいいのだぞ?」
ヴァルザ・アスリティ。
この王国の国王であり、双子の父親であり、アスールの恩人でもあった。
「い、いえ流石にそのような失礼はできません。」
アスールが焦ると国王は笑いながら言った。
「ハッハッハ。冗談だアスール、そう慌てるな。」
国王は笑い飛ばすと、双子に話しかける。
「おはよう。キリア、カナリア。」
「「おはようございます、父上。」
双子は席を立ち、一礼する。
「カナ、またアスールをいじめているのか?いくらアスールが好きだからっていじめちゃダメだぞ~?」
国王はからかうように言った。
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