第一章 破壊された平和

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もうあれから二年も経過した。毎日美術室で好きなように絵を描いたりしていた。 一人だけの空間は居心地が良かったから、ずっとそうして過ごしてきた。 美術室に来る為だけに通ってると言っても過言ではないから、授業中の態度もかなり不真面目。 今となってはシャーペンを持って頭を下げ、いかにも『ノートを取っている』姿勢のまま寝ていたり。 結構気付かれないものだ。 いや、もしかしたら気付かれているけど敢えて先生方が言わないだけなのか。 この方法で退屈な授業を切り抜けて早数時間。 お楽しみの引き篭もりタイムが始まった。最後の六時限目も終了し、担任の教師がSHRを終わらせた。 さて、今日は何をしようか。寝るのもいいし気ままに絵を描くのもいい。 それとも携帯ゲーム機に興じようか。 俺が意気揚々と美術室の中で画材を引っ張り出していると、突如として首根っこを掴まれてしまった。 拓斗「だ、誰だ!?」 ほたる「私。たっくん、ちょっと来て?」 拓斗「嫌な予感しかしないから嫌だ」 ほたる「朝のこと、セクハラされたって学校に言ってもいいのよ?」 ほたるが言ってるのはあのことか。登校中に不慮の事故で揉んでしまったことだろう。
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