第2話 幸せな日々

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「お前、最近仲いいんだって?」 放課後、教室で帰る支度をしているところに晃司がやってきて言う。 「は?」 「中藤亜津紗!」 「まぁな。」 「人目避けて逢い引きかよ。」 からかうように笑いながら言う晃司はオレの脇腹を肘でつつき出す。 「で?どこまでいった?」 「オレとあいつはそんなんじゃねぇよ、バカ。」 「違うのかよ、つまんねぇな!」 つまんなくて結構だ! お前のつまる、つまんないで誰かと付き合ってたまるか。 「じゃ、何なんだよ。」 「あ?」 「お前と中藤の関係!」 晃司に言われ、考えてみる。 そういえば何なんだろうか。 友達? いや、ちょっと違うような気がする。 恋人? 絶対に違う。 じゃ、一体? そこまで考えてある言葉が思いついた。 よく漫画やドラマにある言葉が。 「あえて言うなら親友以上恋人未満だよ。」 「はぁ?漫画かよ。」 突っ込む晃司を無視し、オレは歩き出す。 慌てて追いかけてくる晃司がごちゃごちゃ言っているが無視した。 オレと亜津紗の関係は親友以上恋人未満。 ――この時はそうなんだと納得した。 ――けど、この時には亜津紗、お前のこと・・・好きだったんだと思う。
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