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オレと亜津紗が仲良くなって2ヶ月・・・。
イジメが悪化した。
「ブス!もう学校に来るな!」
「そうそう!迷惑なんだよね!」
「っ・・・!」
立ち上がろうと力を込める。
それを毎回見抜き、亜津紗はいつもそこでアクションを起こす。
必死に泣いて謝るのだ。
その光景が相手を喜ばせる結果になると知って。
「亜津紗・・・。」
「・・・修二!」
誰もいなくなった放課後の教室。
本当に誰もいないか確認し、亜津紗は返事をする。
「亜津紗、オレは!」
「大丈夫だよ、修二。その気持ちだけで嬉しい。それだけで戦っていける。ありがとう、修二。」
「けど・・・!」
「大丈夫だよ、修二。」
「亜津紗・・・。」
亜津紗はいつものようにかわいらしく笑う。
たまらなくなって、オレは亜津紗を抱きしめた。
亜津紗は慌てる。
だが、オレは亜津紗を離さず、逆に強く抱きしめた。
少しの間、亜津紗は抵抗していたがオレが痛くない程度にまた強く抱きしめれば大人しくなり、おずおずと背中に手を回してきた。
「修二・・・。」
「本当に大丈夫なのか?」
今度は亜津紗は答えず、オレの胸に擦りよってきた。
「修二ぃ・・・。」
涙声が聞こえてオレは慌てる。
少し身体を離せば亜津紗はその黒の瞳に涙を溜めていた。
「亜津紗!」
「しゅ、じぃ・・・。」
涙が制服を濡らす。
オレはギュッと抱きしめた。
亜津紗の泣き声にオレは胸が締めつけられた。
しばらく泣いていた亜津紗が顔を上げる。
赤くなった目をそっと撫でる。
「オレが守る。必ず!」
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